Vectorworks Navi Architect使い方ガイド
Vectorworks Architectには建築設計向けのさまざまなツールや機能が豊富に搭載されています。
その反面、Vectorworksを購入したばかりの方にとっては「機能が多い」「使い方が複雑で分からない」と少しハードルが高く感じてしまう場合もあります。
このページでは、そういったVectorworks初心者の方に Architectのさまざまな機能をご紹介します。
ぜひ、さまざまな機能の使い方や概要、メリット、デメリットなどを学び、ご活用いただけたらと思います。
このページはVectorworks Architect 2023を想定して作成しています。
Vectorworksシリーズ
Vectorworksの基本
Vectorworksの基礎を学ぶ教材としてチュートリアルやラーニング動画を用意しています。
テキスト教材「はじめてのVectorworks」はこちら
ラーニング動画Vectorworks Univarsity「Vectorworks2D基礎」はこちら
ラーニング動画Vectorworks Univarsity「Vectorworks3D基礎」はこちら
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VectorworksとJw_cadの大きな違いは、Jw_cadは「線」で描くCAD、Vectorworksは「面」での描くを得意とするCAD、という点です。
「面で描く」とは、例えば四角形を描く時、Jw_cadでは直線を4本必要としますが、Vectorworksでは「四角形ツール」を使用することで、最短2クリックで四角形を作図します。
また、四角形の「面」には色情報やハッチングなどを持たせることができ、プレゼンテーションに最適な図面を作成することができます。
もちろん、直線を使用して作図することもできますが、直線を過度に使用しすぎるとデータ容量が重くなりファイルを開く際に時間がかかったり、データの受け渡しが難しくなったりする場合もありますので、汎用ツールを使用して作図していくことをお勧めしています。
また、以下のリンクにVectorworksとJw_cadの違いについては詳しくまとめられています。ぜひご覧ください。
Jw_cadとVectorworksの違い〜基本の構成はこちら
Jw_cadとVectorworksの違い〜作図・編集はこちら
Jw_cadとVectorworksの違い〜Vectorworksの優位性はこちら
基本パレットの四角形ツールをダブルクリックすることで、図形生成ダイアログが表示されます。このダイアログに数値を入力することで、指定した数値の四角形を作図することができます。
また、一度作図した四角形を別のサイズに変更したい場合には、オブジェクト情報パレットも数値を入力することで変更することができます。
なお、「ツールアイコンをダブルクリックして図形生成ダイアログを表示し、数値指定で図形を作成する」という動作は、他の大半のツールでも可能です。ぜひご活用ください。
Vectorworks Architectには、窓やドアなどさまざまな建築用のツールやリソースが標準搭載されています。
これらのリソースを活用して作図ができるほか、自分で作成した図形を部品登録し、スタンプを押すように配置することのできる「シンボル」という機能もあります。
これらを利用することで、効率よく建具類を配置していくことができます。
詳しくは後述の「窓・ドアツール」の項目をご参照ください。
Vectorworks Architectには、机や椅子などさまざまなリソースが標準搭載されています。
これらのリソースを活用して作図ができるほか、自分で作成した図形を部品登録し、スタンプを押すように配置することのできる「シンボル」という機能もあります。
これらを利用することで、効率よく建具類を配置していくことができます。
文字の記入には文字ツール、寸法の作図には各種の寸法ツールを使用します。どちらのツールもVectorworks Architectの作業画面を使用している場合には基本パレットに入っています。
※寸法ツールはツールセットパレット内にもございますが、同一のものとなっております。
入力する文字/寸法のサイズやスタイル、配列などを変更したい場合は、「文字」メニュー内の各設定をあらかじめ変更してください。以降入力される文字/寸法に適用されます。
入力済みの文字列の各設定を変更したい場合は、その文字列を選択した状態で、「オブジェクト情報」パレットから行ってください。
また、文字/寸法の色を変更したい場合は、他の汎用図形と同様に、「属性」パレットから色を指定することができます。
なお、よく使用する文字のフォーマットがある場合は、「文字スタイル」を登録しておくことをお勧めします。文字スタイルはリソースマネージャ>新規リソースより作ることができます。
文字スタイルではフォント、サイズ、ボールドなどのスタイル、左寄せや上揃えなどの配列を設定することができます。
また文字と同様に寸法もよく使うフォーマットを登録する「寸法規格」という機能があります。
寸法規格はファイルメニュー>書類設定>「寸法」タブ内の「寸法規格」より設定することができます。
内臓されている規格ではなく一から作りたい場合には「カスタム」ボタンをクリックして新規の規格を作成します。
Vectorworksにはレイヤ(画層)の概念の他に、「クラス」という概念があります。
Vectorworksのレイヤはトレーシングペーパーのようなものだとイメージしてください。建築の分野では各階ごとにレイヤを分けて作図する他、より高度な使い方として「1F-壁」や「2F-床」、「3F-天井」のように階と対象の部材ごとに書き分けたりします。
次にクラスですが、クラスは図面の中のオブジェクトを系統別に管理するための概念です。建築の分野では壁の種類や、窓などの建具を構成するガラスやサッシなど、部材ごとに分けて管理する用途で使用されることが多いです。
一例として、1Fレイヤ内に壁や家具を設置されている場合、それぞれをクラスで管理することで、1Fレイヤ内の壁だけ表示し、家具を非表示にする、といったことが可能です。それ以外にも壁の構成要素やドアや窓の部位ごとにクラスを分けて管理し、テクスチャを割り当てるなどの使い方もあります。
また、プリントする際に印字したくない文字や図形などを「非表示」というクラスに配置しておくことで、印刷時の調整などの手間を軽減することもできます。
縮尺は「レイヤ」でのみ設定可能です。クラスでは縮尺を管理することができません。
例えばインテリア/内観設計の現場において建具などの部分詳細図を作成する際は、縮尺が異なる図面を描く必要があります。そういった際にレイヤごとに違う縮尺に設定していきます。
少し難易度は上がりますが、「シートレイヤ」と「ビューポート」という機能を使うことで、より効率よく縮尺違いの図面を管理することもできます。
基本パレット内のパンツールを長押しするとパンツールか用紙移動ツールかを選べるようになります。
この用紙移動ツールを使用することで自分の好きな範囲を印刷することができます。
Vectorworksのレイヤは大きく分けて2種類あります。
画層を分けることができる製図用紙だと考えてください。基本的にこのデザインレイヤ上に図面を作図、3Dモデルの作成をしていきます。
3Dモデルから取り出した平面図、断面図、パース、建具表などを配置し、プレゼンボードとして利用できます。
Vectorworksで「BIM」をやりたい、Architectの機能を最大限使いたい場合は、この機能の利用は必須になってきます。
シートレイヤについての詳しい説明は別項目で行います。
「アクティブレイヤ」とは、複数あるレイヤのうち、現在選択されて表示及び作図しているデザインレイヤまたはシートレイヤのことを指します。
Vectorworksの操作説明のヘルプ/書籍/動画/Webページなどでは以下のような書き方で使われます。
例: アクティブレイヤを「1F平面-壁」から「2F平面-壁」に切り替えてください。
また、アクティブレイヤの他に現在選択しているクラスは、同様に「アクティブクラス」と言われます。
「属性」パレットで、線の色や太さ、また破線等の線種を変更することができます。
また、デフォルトでは「線の属性」の項目が「カラー」になっていますが、ここをクリックし「ラインタイプ」に変更することで、一点鎖線や点線にすることができます。
一点鎖線や点線に設定した線を実線に戻したい場合には属性パレットの線の属性を「カラー」に変更します。
Architectの基本
Vectorworks Architectは、建築設計、ディスプレイ業界等向けの専門機能が搭載されている製品です。
例えば、壁を描く際に2D/3Dを同時に作図することができる壁ツールが搭載されており、また壁ツールを使用することで数回のクリックで室内展開図などを作成することができるなど、
Architectの機能を利用することで、建築図面を効率よく作図していくことができます。
Architectの機能の概要については、以下の動画をご覧ください。
ラーニング動画Vectorworks Univarsity「Vectorworks Architect機能のご紹介」はこちら
※この動画は、Vectorworks Architect 2022で収録しています。バージョンの違いにより機能や一部名称が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
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Vectorworksでの住宅設計を学ぶ教材としてチュートリアルやラーニング動画をご用意しています。
テキスト教材「Vectorworks Architect住宅モデリングガイド」はこちら
ラーニング動画Vectorworks Univarsity「Vectorworks BIM CAMP」はこちら
※この動画は、Vectorworks Architect 2019で収録しています。バージョンの違いにより機能や設定方法、一部名称が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
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さまざまなメリットがありますが、ここでは「わかりやすさ」と「効率化」の2つをご紹介します。
‐「わかりやすさ」‐
旧来、設計者は多くの場面で2Dの図面を学び、仕事の中で活用してきました。そのため、平面図、立面図、断面図を見れば「ああ、こういう建物なんだな」と理解することができます。
しかし、建築や図面の知識がない施主の方はどうでしょうか。平面図やパース、立面図、断面図を見ただけで建物の詳細が分かるでしょうか。ざっくりとした形、概要は分かっても詳細までは伝わらないかもしれません。
対して、3Dモデルにすることで建築知識の有無という壁を取り払い、相互に正しく理解・共有することができます。何枚ものパースを作成してプレゼンをするよりも、一つの3Dモデルを自由に動かしてプレゼンする、それだけで相手の理解度は変わってくるはずです。
‐「効率化」‐
3Dモデルを作成することで、今までバラバラに作成していた「平面図」「立面図」「断面図」などの各種図面は個別に「描く」ものではなく、完成した一つの3Dモデルから「取り出す」ものになります。
3Dモデルを上から見て「平面図」、モデルを縦に切断して「断面図」、外観を東西南北それぞれから見て「立面図」と、見る向きを変えて図面を取り出すことで、今まで各図面をそれぞれ作成していた手間はなくなります。
いくつかの方法があり、データ内容によっても作業内容が変わりますが、一例として図面の取り込み~壁の作成までの方法を紹介します。
1.ファイルメニュー>取り込む>「Jw_cad取り込み」を選択し、Jw_cadで作成したデータを取り込みます。
※Vectorworks 2022以下のバージョンではJwコンバータが必要です。
2.取り込んたデータを、この後の作業が行いやすいようにクラスなどを整理し、不要なクラスは非表示にしておくなど、表示設定を整理しておくことをお勧めします。
(例えば、通り芯、壁、開口部などを表示し、家具やハッチングの線などは非表示にすると作業がしやすくなります。)
3.四角形ツールを使用し、壁芯を部屋の範囲として各部屋ごとに作図していきます。
この際、芯がずれている箇所に関しては四角形を変形ツールで加工したり、複数の四角形を「貼り合わせる」などして作成します。
4.作成した各部屋の四角形を、建築・土木メニュー>空間計画>「図形からスペースを作成」コマンドを使用してスペースを作成します。
スペースは部屋の高さや面積、室名情報などを管理できる便利な機能で、VectorworksでBIMを行う際には基本となるものです。詳しくはVectorworks ヘルプをご覧ください。スペースツールについてはこちら
5.作成したスペースを、建築・土木メニュー>空間計画>「スペースから壁を作成」コマンドを使用して壁を作成します。壁が重なってしまっている部分に関しては個別に都度調整します。
ex.上記手順はあくまで一例であり、慣れてきたら取り込んだデータを元に壁を作成するようなやり方のほうがよい場合もあります。
設定すると便利な機能
木造建具ツールと木造BIMツールはVectorworks ArchitectまたはVectorworks Design Suite(Designer)に追加して使用するプラグインソフトです。
Vectorworksで標準で用意されていない日本仕様の建具や木造住宅設計をする際に便利なツールなどが搭載されています。
これらは無料で提供していますのでダウンロードして使用してください。
木造建具ツール、木造BIMツールのダウンロードページはこちら
Vectorworks Architectの機能や木造建具ツール、木造BIMツールは作業画面を切り替えて使用します。
作業画面とは各種ツールやコマンド(機能)などがまとまったインターフェースのセットと思ってください。
例えばVectorworks Architectの作業画面には建築関係のツールやコマンド、木造建具ツールの作業画面には木造建具のツールやコマンドというように使えるツールや機能に違いがあります。
作業画面を切り替える場合にはツールメニュー>「作業画面」から製品ごとの作業画面を選ぶことができます。
また作業画面の編集をクリックして自分のオリジナルの作業画面を作ることもできますが、作るのは慣れてきてからをお勧めします。
まずは「Architect」の作業画面をお試しください。
階高を管理するための機能です。
ストーリ(階高)を利用することで、各フロアごとにさまざまなレベル(高さ)を定義することができます。
例えば、「屋根」「2F」「1F」「基礎」「GL」のようにストーリを設定し、各ストーリ内で天井高さやFLなどのレベルを設定します。
ストーリは少し複雑に感じるかもしれませんが、使いこなすことで3Dモデリングがしやすくなります。「VectorworksでBIMを!」と思っている方にはぜひ使いこなしていただきたい機能です。
ストーリは、ツールメニュー>オーガナイザ>「ストーリ」タブから設定が可能です。
また、Vectorworksが用意しているBIMのテンプレートでは既に設定済みとなっているので、一度お試しください。
詳しくはVectorworksヘルプをご覧ください。ストーリについてはこちら
あらかじめ壁の構成要素や高さ、テクスチャなどをフォーマットとして登録しておくことができる機能です。
この壁スタイルを設定しておくことで、別の階層などを作図する際に再度構成要素などの各種設定を行う必要が無く、壁の高さがストーリに自動で追従するようになり、各階ごとに天井高が違う場合にも手動で設定変更する必要がなくなります。
また、壁の要素を設定することで壁ツールを使用する際に壁の構成要素を一度に作図してくれるなど、非常に便利な機能です。
壁スタイルは、リソースマネージャ>「新規リソース」より作成することができます。
また既に作図した壁図形から壁スタイルを登録することもできます。
詳しくはVectorworksヘルプをご覧ください。壁スタイルについてはこちら
スペースは空間情報をもつオブジェクトです。このオブジェクトには、名称や面積、高さ、体積やその他必要に応じた情報を持たせることができます。
また、このスペースの情報を元に面積表などの一覧表を作成することもできます。この一覧表はモデル(建物)の仕様が変更された際、スペースを編集すればワークシートの集計結果も自動的に変更されますので、手入力で一覧表を集計するのに比べて手間を軽減できます。
スペースは、ツールセットパレットの空間計画ツールセット内にあるスペースツールを使用する方法や、四角形などの図形からスペースに変換する方法などがあります。
詳しくはVectorworksヘルプをご覧ください。スペースツールについてはこちら
壁・柱ツール
「ツールセット」パレット内、「建物ツールセット」の中に「壁」ツールがあります。
壁ツールを使用して作図することで、2D/3Dを同時に作図することができるほか、窓/ドアを簡単に挿入できたり、数回のクリックで部屋の展開図を作成できる「室内展開図ビューポート」機能を利用できるようになるなど、さまざまな恩恵があります。
まずは「壁」ツールを使用して「2D/平面」の状態で壁を作図し、ビューを「斜め右」にして壁の形状を確認してください。さきほど2Dで書いた壁が3Dになっているのが分かると思います。たったそれだけのように感じるかもしれませんが、このツールを使わずに2D/3D形状の壁を作図しようとすると、何倍もの工数が必要になります。
また後述していますが、構成要素を設定して壁を作図することもできます。
「単純なダブルラインを引くだけで高さを持った壁ができあがる」という3D-CADの良さを体感してください。
壁を作図する前に、作図モードを変更してください。モードは画面右上のツールバー(レイヤやクラスを変更する表示バーの下)から変更することができます。
壁ツールのモードは、大きく分けると「直線壁」か「円弧壁」を選択するモードと、作図する際に左側、中央、右側のどこを指定するかを選択するモードがあります。
初期設定では「左側指定」モードになっていますが、通り芯を中心に作図したい場合は「中央指定」モードに変更すると、通り芯を中心に壁を作図できます。
※円弧壁ツールはVectorworks 2023で壁ツールのモードとして統合されました。
壁の高さを変更する方法はいくつかありますが、よく使う方法をご案内します。
変更したい壁を選択し、オブジェクト情報パレット内の「高さ」の数値を変更してください。
「壁の設定」ダイアログが表示されますので、配置オプションタブ内の「高さ」の数値を指定することで、以降は壁を指定した高さで作図することができます。
「壁スタイル」機能を使用することで、よく使う壁の設定を保存しておくことができます。
壁スタイルは、リソースマネージャの右下「新規リソース」から、「壁スタイル」を選択することで新規作成することができます。
「壁スタイルの設定」ダイアログでは、例えば壁の厚さの変更、構成要素の追加、配置オプションタブでは高さの設定、テクスチャタブでは設定するテクスチャの種類や範囲、といったさまざまな項目を設定することができます。
詳しくはVectorworksヘルプの「標準壁の設定」をご覧ください。「標準壁の設定」はこちら
壁ツールで作成した壁を包絡処理したい場合には「壁結合ツール」を使用します。
壁結合ツールは「建物」ツールセットパレット内にあります。
このツールの使い方は、まずツールバー内のモードを結合する壁の形に変更します(T字、L字、十字)。あとは結合した壁と壁をクリック‐クリックで選択し結合します。
詳しくはVectorworksヘルプ内「壁を結合する」をご覧ください。「壁を結合する」はこちら
窓・ドアツール
「ツールセット」パレット内の「建物ツールセット」に、「窓」や「ドア」ツールがあります。
これらのツールでは、標準で用意されている形式などの各種項目を変更するだけで、さまざまな形状の窓/ドアを設定でき、マウスクリックで壁図形に簡単に挿入することができます。
窓やドアの設定で、”一般”カテゴリ内の項目を編集することで大まかな形状や種類を設定することが可能です。
他にも”表示”、”だき”などの各カテゴリ内の項目を変更することで、さらに細かい表現や調整を行うことが可能です。
窓やドアの部位別の色や透過設定などについては、クラスで設定・管理することができます。
窓であれば、だき/枠/窓台、ドアであれば内(外)パネル/枠などの専用クラスが用意されています。
窓やドアを選択し、オブジェクト情報パレットの形状タブ内にある「詳細設定」から、“クラス”のカテゴリ内でクラスの割り当てを変更できます。
また、「ガラス-透明」クラスには、あらかじめガラステクスチャが設定されています。
床・スペースツール
建築メニューから選択できる「床」コマンド、または「スラブ」ツールをご利用ください
「床」コマンドと「スラブ」ツールでは、作成される図形に違いがあります。
壁図形と同様に2D図形に加えて3D図形が同時に作成されますが、前者は柱状体と同じように単純な厚みを持った図形になりますが、後者は厚みの中に複数の構成要素(フローリング、断熱材等々)を設定することが可能です。
スペースツールを使うと、2Dおよび3Dで部屋を表現することができます。スペースオブジェクトには、部屋名や居住者、部屋仕上げなどの情報を付与することが可能となっています。
この付与された情報を2D平面上で表示させることや、ワークシートと呼ばれるExcelのような表にて集計を行うことが可能となっております。
屋根
建築メニュー内の「屋根作成」コマンド、「屋根面」コマンドをご利用ください。
「屋根作成」コマンドと「屋根面」コマンドの使い分けとしては、片流れの屋根を生成する場合は「屋根面」コマンドを、切妻や入母屋を作成する予定がある場合は「屋根作成」コマンドをお試しください。
いずれのコマンドも、四角形などの2D図形を元に生成することが可能ですが、「屋根作成」コマンドでは壁図形から屋根を作成することも可能です。
建築メニュー内の「図形に壁をはめ込む」コマンドをご利用ください。
壁を自動的に上または下にある図形に合わせるための機能です。屋根や床のあるレイヤを指定し、壁を伸縮させた際に最初に接触する図形に合わせて壁の高さが自動調節されます。
※壁を小口部分から見て斜めに合わせることは出来ません。
シートレイヤ・ビューポート・プレゼンテーション
Vectorworks上のプレゼンテーションボードだと考えてください。
3Dモデルから作成した平面図、断面図、パースのビューポートや建具表などを配置してプレゼンボードを作ることができます。
なおシートレイヤの縮尺は1:1となり、各図面の縮尺はビューポートで変更し管理します。
Vectorworksで「BIM」をやりたい、Architectの機能を最大限使いたい場合は、この機能の利用は必須になってきます。
参照窓の機能です。
この参照窓でデザインレイヤ上に描画されている3Dモデルを参照し、任意の縮尺設定やレンダリングなどを行ってシートレイヤ上に配置することができます。
例えば、一つの3Dモデルを上から各階ごとに映し、平面図を作成。3Dモデルの外観を東西南北の方向から参照して立面図、3Dモデルを任意の箇所で切断したような表現にして参照することで断面図を作成できます。
また、縮尺も自由に設定することができるので、平面図は1/50、立面図、断面図は1/100のようにそれぞれ個別設定することができます。
なお、参照窓であるため、デザインレイヤ上での変更があった際、ビューポートを更新していただくことで、自動的に変更点が適用されるという利点もあります。
シートレイヤとビューポートを学ぶことができる「Hello,ViewPort」というPDFを配布しています。
シートレイヤとビューポートを使う上で大事な要素をまとめたものになりますので、まずはこれを見ていただくことをお勧めします。
「Hello,ViewPort」のダウンロードはこちら
また、Vectorworks Universityでもシートレイヤやビューポートを学ぶ動画を用意していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
Vectorworks University 「シートレイヤ概要」はこちら
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細かい設定などは気にせず、まずは使ってみて慣れるところから始めてみてください。
まずは試しにビューポートを作成してみましょう。
1.デザインレイヤの3Dモデルを任意のアングルにします。(例:立面図なら前ビュー)
2.ビューメニュー>「ビューポートを作成」を実行。
3.出てくるダイアログは全て「OK」ボタンをクリック。
4.ビューポートがシートレイヤ上に配置されます。
これだけの設定でビューポートを作ることができます。
ビューポートの設定はオブジェクト情報パレットから行います。
ビューポートが2Dか3Dかどうかでよく使う設定項目が変わってきます。例えば2Dの場合は主に4項目になるので比較的覚えやすいです。
2Dでよく使う項目: レイヤ、クラス、縮尺、プロパティ
3Dでよく使う項目: 2Dの設定以外にビュー、レンダリング、レンダリング設定、投影方法、背景放射光
例えば、デザインレイヤで平面図、立面図、断面図をそれぞれ個別に2Dで作図していたとします。
仕様修正で何らかの変更が発生した場合、各図面をそれぞれ手作業で修正する必要があります。住宅設計では何十もの図面が必要となりますので、一か所の変更でも大変な労力になります。また、各図面の整合性を保つのにも苦労します。
しかし、一つの3Dモデルを元にビューポートを使用して各図を作成した場合は、元となるデザインレイヤ上のモデルの仕様変更、修正などを行うことで、これを参照しているビューポートにも変更が反映されます。(2Dビューポートは自動で更新、3Dビューポートは更新ボタンを押すだけ)
ビューポートの使い方をマスターすることで、仕様変更や修正時の手間や時間を削減することができます。
基本的な手順は、大きく分けると3つです。
1.ビューポートの作成(ビューメニュー>ビューポートの作成)
2.ビューの調整(平面図:上ビュー、立面図:前、右、左、後ろビュー)
3.レイヤ、クラスの調整(表示したい階層などの調整)
Architectに搭載されている室内展開図ビューポートの機能を使うことによって、室内展開図を手軽に作成することができます。
この室内展開図は四方の壁オブジェクトを参照して室内展開図を作成しているため、壁ツールを使用して部屋を作る必要があります。詳しくは室内展開図ビューポートのヘルプをご覧ください。
※室内展開図ビューポートのヘルプはこちら
3Dモデルが完成し、プレゼン用のアニメーションを作りたい場合は、モデルメニュー>「アニメーション」で、作成していただいた3Dモデル内を歩く動画などを作成することが可能です。
アニメーション作成機能は、Vectorworks 2020にてリニューアルされています。分かりやすい解説を別ページに用意していますのでそちらをご覧ください。
よくある質問解説講座 第6回「アニメーションを取り出したい!」はこちら
レンダリング
レンダリング(Rendering)とは、一般的に「データを処理/演算して出力すること」を指します。
Vectorworksでは、作成した3Dモデルから、テクスチャや光源などの効果を計算してフォトリアルな2D画像を作成することをレンダリングと呼んでいます。3Dパースの作成や、陰線消去した断面図を作成する際などに利用します。
レンダリングは、レンダリングの種類はもちろん、モデルの形状やテクスチャ(質感設定)、光源(太陽や室内ライティング)の設定などによって、出力結果が大きく変わります。
シートレイヤでリンダリングした状態で保存したい場合は、ファイルメニュー>書類設定>ファイル設定>「ビューポートキャッシュを保存」にチェックを入れてください。
この設定をオンにすることで、一度閉じたファイルを再度開いた場合に、ビューポートのレンダリング状態が保持されるようになります。
ただし、ファイルサイズは増加する場合がありますのでご注意ください。
レンダリングにはいくつかの種類がありますが、よく利用されるものをいくつかご紹介します。
シートレイヤ上のビューポートをレンダリングする場合、初期設定ではシートレイヤの解像度が低くレンダリング結果が荒くなる場合があります。
ツールメニュー>オーガナイザ>「シートレイヤ」タブを開き、レンダリングをしているシートレイヤを選択して「編集」をクリックします。
「シートレイヤの編集」ダイアログが表示されますので、「ラスタレンダリングDPI」の右側の項目でシートレイヤの解像度を調整することができます。ラスタレンダリングDPIは数値を高くすればするほど解像度が高くなるのため、高品位なレンダリング画像となりますが、DPIが高いほどレンダリング時間、データ容量、PCにかかる負荷なども増加します。
そのため、レンダリングの品質と処理負荷のバランスを考慮して設定してください。
関連書籍・関連動画・リンク
いくつかの書籍が出版されています。
Architectに関する書籍は『VECTORWORKS ARCHITECTで学ぶ 住宅設計のためのBIM入門』になります。
Vectorworks 2018向けの書籍となっていますが、他バージョンでもご参考いただける内容です。
Architectの基本的な機能について詳しく解説されているため、この一冊で3Dの木造住宅に関して基礎的なことが学べる内容になっています。
関連書籍の詳細につきましては、こちらをご確認ください。
Vectorworks Universityをご利用ください。
Vectorworks Universityでは、Vectorworksの使い方、機能の学習動画をまとめたコンテンツをご用意しています。
詳しくはこちらをご参照ください。
※各種トレーニング動画は、収録時にリリースしているバージョンで制作しています。バージョンの違いにより機能や設定方法、一部名称などが異なる場合がございます。
ラーニング動画Vectorworks Univarsityの視聴にはサインインが必要です。
VectorworksカスタマーポータルのID/パスワード、またはGoogle、Facebook、Appleのいずれかのアカウントでサインインできます。または「アカウントを作成」から新規でアカウント登録も可能です。
セミナーについては、インターネットで開催しているWebセミナーがあります。事前にご予約いただく必要がございます。
詳しくはこちらこちらをご覧ください。
Vectorworks Design Blogをご覧ください。
Vectorworks Design Blogは、Vectorworksをより深く活用するための情報サイトです。
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