2011年度
OASIS加盟校を対象とした研究・調査支援奨学金制度について2011年度は、『この震災を次代に伝承していくために』を表題に、OASIS(オアシス)加盟校の学生・教員の皆様の研究・調査活動をバックアップいたしました。なお、2012年8月24日に開催したVectorworks教育シンポジウム2012において、授与者による研究成果発表がおこなわれました。
発表の様子は、A&Aホームページ内「復興支援現場レポート-槌音-」のレポートをご覧ください。
2011年度 OASIS加盟校「研究・調査支援奨学金」授与者
厳正なる審査の結果、2011年度OASIS加盟校「研究・調査支援奨学金」授与者は、下記の4つのテーマに決定いたしました。
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代表 大石 昴史 さん・河埜 智子 さん 他 全20名
- 専門学校ICSカレッジオブアーツ
- テーマ:「災害時におけるインテリアデザインの役割」
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棗田 裕英 さん
- 福山市立大学 都市経営学部 都市経営学科
- テーマ:「突発性自然災害における、退避行動に関する研究~学生による退避行動シミュレーション~ 」
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富沢 綾子 さん
- 宮城大学 事業構想学研究科 中田千彦研究室
- テーマ:「長清水番屋建設プロジェクト A Book for our Future 311 」
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高橋 侑万 さん
- 明治大学大学院 理工学研究科 建築学専攻
- テーマ:「三陸地方の地形特性に相応しい復興住宅計画に関する調査・研究」
2011年度 OASIS加盟校「研究・調査支援奨学金」概要
目的
OASIS加盟校に在学する学生(グループを含む)の学術研究・調査を支援するものです。
対象となる研究・調査
2011年度の支援対象となる研究・調査は、「この震災を次代に伝承していくために」をテーマとして,東日本大震災の復興にかかわるものとします。
被害地域の復興は可及的速やかに行なわれなければなりません。政府は災害地域の建築制限を行ない、有識者による復興構想会議を立ち上げて、復興ビジョンの提言を考えているようです。さらに緊急的な課題としては、罹災された方々の住む場所をどうするかという問題も解決しなければなりません。
しかし、わたくしたちが若い人たちに期待するのは、今日、明日をどうするかという課題の研究・調査ではありません。「未曾有」とか「想定外」と表現される今回の地震、津波、原発事故も、それぞれの事象をとれば、かつて同程度の規模の災害がありました。10m を超える津波が、ほぼ1000年前にも発生していたという研究報告もあります。
- どうしてこれらの過去の痛い経験がいかされなかったのでしょうか?
- 果たして甚大な人的物的な被害は避けられなかったものでしょうか?
- 1000年後の人類にこの状況を伝承することはできるのでしょうか?
残念ながら、わたくしたちかつて学生だった者が考えることができる設問はこの程度のことです。津波のあの圧倒的な自然の力を目の前にしたとき、わたくしたちが学んできたものは何だったんだろうかと、言葉もありません。「フェイル・セーフって何?」「安全基準って?」「...?」
さて、このような状況下で、あなたたちはどんな研究・調査をすればよいとお考えでしょうか。これまでの問題解決型の理工的な思考方法で良いのでしょうか。もっと人文的な思考方法や歴史民俗学的な考察が重要なのかもしれません。わたくしたちの「想定外」の研究・調査の提案をしていただければ、大変うれしく思います。
【OASIS加盟校を対象とした研究・調査支援奨学金制度】2011年度募集要項
テーマ
『この震災を次代に伝承していくために』をテーマとして、東日本大震災から得た経験を後世に伝承するための調査・研究にかかわるもの。
応募方法
本年度の募集は終了いたしました。沢山のご応募ありがとうございました。
スケジュール
2011年8月25日 | 応募用紙ダウンロード開始 |
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10月15日 | 応募締め切り(当日消印有効) |
11月1日 | 選考結果発表・支援開始 |
2012年6月末日 | 研究成果提出 |
2012年夏 | 成果発表会 於 教育シンポジウム会場 |
選定方法
弊社内に設置する選定委員会にて選定します。
選定された方々のお名前と提案内容は、弊社ホームページにて発表いたします。
奨学金と研究成果
総額200万円。OASIS加盟校の学生(グループを含む)を対象とし、最大5個人、または5グループとします。使途に制約はありません。
研究成果は2012年6月末日までに弊社宛ご提出ください。
研究成果発表
2012年夏、Vectorworks教育シンポジウムにて成果を発表していただきます。